バーリントン・コート・ガーデン Barrington Court Garden
バーリントン・コート・ガーデンは10年ぶりの訪問だ。
キッチン・ガーデンとガートルード・ジキールが植栽計画をした3つのフォーマル・ガーデンを持つウォールド・ガーデンがある。
順路に従いキッチン・ガーデンに入る。入り口で麦わらで作られた犬が歓迎してくれる(写真下左)。1辺が70m以上あろうかという正方形の庭は高い壁に囲まれている。
田の字の通路が設けられ、様々な野菜が整然と育てられている。リンゴや西洋梨がこれも見事に整枝され壁を這っている。
16世紀からマナーハウスの住人に新鮮な野菜と果物を提供してきたのだ。現在もここのレストランや地元の小学校の給食に供しているらしい。
中央の通路の交点に噴水がある。"The boy and his swan"と名付けられている。この池は"Dipping Pond"と呼ばれ、ガーデナーが如雨露(Watering Cans)で
水を汲み取った灌漑用の池だったのだ。その奥にもガーデンの花と野菜を守るアキレスの像が立っている。
時間は十分ある計画だが、何が起こるか分からない。少しでも早くヒースローに近づいておきたいという気持ちがあり、落ち着かない。
順路を急ぐ。キッチンガーデンを出ると壁の外側はロング・ボーダーだ(写真下右から2枚目)。10年前、ここでトリトマの名前を初めて知ったことを思い出す。
全体に花が遅れているようだ。陽だまりにもトリトマを入れているが、残念なことに、こちらのようにスクッと立たないのだ。
キッチン・ガーデンの南東角にガーデナー・ハウスらしきものがあり"Information and Plants Sales"になっている。その壁のつるバラの誘引が美しい(写真下右)。
花の美しさだけでなく、幹の美しさも素晴らしい。こんな風に誘引をして見たいが、その前に、こんなに広い壁がない。高望みだ。
ウォールド・ガーデンとお屋敷は濠に囲まれている。だから小さな木橋を渡り華やかな花色が覗く小さな入り口を潜る(写真下左)。
その花はキャットミントとシャクヤク、ジャーマンアイリスだった(写真下中2枚目)。煙突の沢山ある赤レンガのハウスはストード・ハウス(Strode House)だ。
バーリントン・コートは16世紀半ばに建てられたマナーハウスだ。17世紀にストード・ハウスが建てられたのだが、何と厩舎として立てられたというから驚きだ。
ナショナル・トラスト(NT)のホームページにも"a very grand stable"と記載されている。2台の馬車と12頭の馬がここで管理されていたのだ。
しかし、マナーハウスが19世紀始めに火事になり、その後住む人もなく荒れ放題になっていたところをNTが購入したのだ。
そして1917年からライル大佐(Colonel Lyle)に貸し出され、大佐によってマナーハウスが一新され、ストード・ハウスは3つのフォーマル・ガーデンにされたのだ。
その植栽計画(Planting Plans)は当時の人気ガーデン・デザイナーであったガートルード・ジーキルに依頼したのだという。豪壮だ。
この40mほどのダブルボーダーを行くと突き当たりに古い牛小屋(Calf pens)がある。ここの壁にもつるバラが美しく仕立ててある(写真下左)。
さて、ダブルボーダーの南側に3つのフォーマル・ガーデンがある。それぞれ壁と生垣で区画されたガーデン・ルーム形式のガーデンだ。
最初にローズ&アイリス・ガーデン(Rose and Iris Garden)に入る。真ん中に大きなコラム(像が載っていたのかもしれない)があり、
芝が広がる。芝を切ってベッドとしバラを植えてある。周囲の壁にはバラを這わせたり、アイリスを含む植栽のボーダーがある。
デザイン、植栽とも極めて単純でガートルード・ジーキルのものとは思えない。
続いてホワイト・ガーデン(White Garden)に移る。こちらも同じようなデザインだ。中央に像がある(写真下左から2枚目)。フォーン(Faun)と名付けられている。
ローマ神話のファウヌスのことでヤギの耳・角・後脚を持った林野・牧畜の神が踊っている像だ(拡大写真にアップの写真)。芝を切ったベッドがあり、
壁際はボーダーだ。ボーダーの白い縁取りのホスタが爽やかな感じだ。クランベ(ジャイアントかすみ草)も強いインパクトを与える(写真下右から2枚目)。
壁には白いつるバラ、その前にアヤメ、オステオスペルマムが咲いている(写真下左)。壁の丸窓がなかなかお洒落だ。
次がリリー・ガーデン(Lily Garden)だ。リリーといってもユリではない。睡蓮(water Lily)の池があるガーデンのことだ(写真下右)。睡蓮の花も遅れているようだ。
それにつけても、この大きなハウスが厩舎であったとは驚きだ。いろいろな角度から見ると10本以上の煙突がある。
ということは、それ以上の暖炉があるということを意味する。今はレストランとショップになっている。
マナーハウスは更に多くの煙突を持つ。それは拡大写真からどうぞ。マナーハウスはストード・ハウスの隣にあるが、大きく迂回しなければならない。
今回はパスすることにする。
Address | Barrington, near Ilminster, TA19 0NQ |
Telephone | 01460 241938 |
Web Site | Barrington Court Garden |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
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